す⊃ぽんはむの”元”NAVERまとめ

大部分は まだテキストのみ。順次、画像を復元します。

北方領土ロシア住民の歓迎気分と撃退意識が入り混じった"日本人観光客向け"サイト、半公開のまま荒廃中。

どうして「こうなった」のか?─── 制作半ばで遺棄されたも同然?の日本語サイト《クリリスキー》には、北方領土民の思惑と「プーチン安倍"平和条約"交渉」の期待外れに萎(しぼ)むガッカリ感が何より顕著に?にじみ出ているようです。


《クリリスキー》って、いったい何??


それは、ロシア天然資源・環境省の所管する自然保護区《クリリスキー》の公式ホームページです
ロシア語版は2012年4月より公開。
 
2020年の今現在も(ロシア語版は)刻々、更新され続けています。

しかし日本人に向けては告知されておらず、2020年3月現在で「クリリスキー自然保護区」をググっても、「北海道のシマフクロウが見つかった」という昨2019年の単発ニュースしかヒットしません。


その自然保護区は、国後島色丹島および歯舞諸島の内陸部と周辺海域に制定されています
そして、保護区の管理事務所は国後島に在ります。

サイト内の記載に関する問合せ先も、この国後駐在の担当職員宛てになっています。


オドロくべきことに本当は一部、日本語でも閲覧できるんです
【画像:TOPページ】
 言語の選択ボタンが、ロシア語・英語・日本語 となっています。

[英語版]は未だ作成されていません。

[日本語版]は(後掲の通り)一部分だけ作られた状態で停まっています。


これら日本語コンテンツが追加されたのは、2015年の2~3月頃
ナンと、5年も前!?の話なのですね。

当時を振り返るため、内閣府のホームページで北方領土交渉の年譜を紐解きます【画像】。
 
こうしてみると(新たに日本語版ホームページが作られ出したのは)領土問題解決に向けた安倍‐プーチン会談が集中的に行われる2016年を見据えて?のような動きですね。


安倍首相と2013年「交渉を加速させる合意」を受け、プーチン政権は「いよいよ、日本と南クリル諸島(=北方領土)の間で人的往来が本格化する」と見積もった可能性
みなさんご存じの通り、2016年のたび重なる協議を通じ、ロシア側は両国の友好な環境を整えるためにも(平和条約締結を待たず)極東地域における経済協力をいっそう推し進めるべき、との立場を採っていました。

北方領土における観光開発も、両首脳にとっては目玉となる経済提携項目のひとつ。

これが現地の自然保護啓発サイト《クリリスキー》日本語化の動力源になったのかもしれません。


しかし2020年の今は、未完成のまま"遺棄"されてる!?


日本語に訳されたページは、多くが未完成
たとえば、左の色丹島マップ画像がUPされたのが(サーバ上のタイムスタンプに拠れば)、2015年1月20日

この日辺りから同年3月にかけ、徐々に日本の旧地名/島嶼名を交えた解説コンテンツが集中UPされてきましたが、結局それっきり……。


2015年4月以降、日本語版コンテンツをUPした形跡が無い…!
結局、サイトの日本語化作業は中途で停まり、日本人には知らされないまま5年の歳月が。

そもそも、待てど暮らせど日本政府公認の"正規ルート"渡航&観光が軌道に乗ってこないのですから、編纂担当者である国後島の保護区管理者も「やる気が失せた」のかも。

別に日本人、俺らは無理に来てくれとは言ってないし~い、的な^^;


現在、日本語で読める部分


〔Ⅰ〕TOPベージのニュース欄(中央部)
ただ、記事が古いですw (ニュースじゃない)

このサイトがロシア語でOPENした当時の、UP一発目から6話分の旧記事だけが、かろうじて日本語表示されてます。

もちろん、ロシア語版なら(この欄には)2020年現在の最新トピックスが紹介されてます。


それぞれの記事をタップすると、こんな感じ
まあ「まんま機械翻訳」とまでは言いませんが、けっしてスラスラ黙読できる日本語でも^^;ありません。

また、保護区の名はサイトTOPに「クリリスキー」と銘打ってるくせに、細かい詳細テキストでは「クリルスキ」となってて、基本的な語彙くらい統一表記にしてもらいたいもんです。


〔Ⅱ〕保護区のマップ解説(左メニュー)と、郷土研究(ヘッダーメニューの右端)
TOPページのニュース欄以外で日本語が出てくるのは、この2箇所【画像:オレンジ枠】をタップしたときだけ。


【注目点】実はその、メニュー[郷土研究]の中身が一番のクセモノだった!?
その中は、5つのサブメニューで区切られてます【画像】。

上のふたつは工事中。

その下に「地域の歴史」「露日関係」「アイヌ民族」と続き、この3項目は日本語で(異様とも思えるほど^^;)詳し~く!解説されています。

まるで、この3ページ分を掲げたいためにサイトを日本語化しようとしたの?? とさえ思えてきます。


日本人向けに北方四島は「どう説明されてるか」


そこに記述された文章の中身を、[郷土研究]メニュー順に見てみましょう。

どのページも日本語としては「イマいち、不自然な」文章ばかりですんで、意を類推して論旨を書き出しています。


[地域の歴史]ー千島列島の国境形成史
もはや隔たりを埋めようのない、千島列島と自国民の関係"源史"を解説。

「初めて千島を知り、初めて調査に渡り、初めてアイヌと交流し、初めて領有したタイミング」を軸に説明しています。

参考文献の出典はすべてソ連~ロシアの研究書なので、当然、日本よりもロシアが(すべてに渡り)先行していたかのような書かれようです。

たとえばロシア人が(日本人が北方のアイヌ島民に年貢を課すより先に)最初にアイヌにロシアの市民権を与え、1778-797年に国後・択捉をロシア領に編入

その上でお隣の北海道にも出向き、(日本に対しロシアへの門戸を開き)交易をしないか持ちかけた……などとしています。


[露日関係]─1945年~2010年 略年表
上の[地域の歴史]から続くような流れで、ロシアと日本の領土区分がどう(両国間の)外交問題と化し、膠着し、長引いていったか? を説いてます。

そもそもの「譲れぬ認識の相違点」について、この項では以下の↓ように記述されてます。


▼1951年にサンフランシスコ講和条約が締結され、日本はクリル諸島(千島列島)全島の領有権を放棄した(~ものと解釈&認識される)。
 
▼これにより領有権の放棄された南千島諸島が旧ソ連(現ロシア)の領土へと組み入れられ、その主権下にあるとする解釈は国際法上、何ら疑問を生じさせるものでもない。
 
▼にもかかわらず、日本は(条約にサインしたあとで条約の場に居合わせなかったソ連には)二枚舌的に「千島列島に四島は含まれない」との勝手な屁理屈をコネ始めた。
 
▼かくして、完全に解決したハズの(=日本も国際条約で決着と認めた)問題が蒸し返され、今日まで平和協議の膠着を生んでいる。


[アイヌ民族]─北海道と千島の先住民
前述の通り、ロシアの言い分では「北海道以北はアイヌ民族固有の領土だった」となります。

北海道以北の土地は、日本が先住アイヌの占有生活圏を追いつめ、狭め、保障されるべき既得権と基本的人権を強奪した行為により「周辺法治国家の眼を盗み、国際法上あいまいなまま日本である(=もともと日本であった?)ことにされてしまった、限りなく領有根拠がグレーなエリア」のひとつに過ぎません。

いつの日か正義の名において北海道に侵攻し、固有の先住民アイヌに(その地を)解放してやる!と言わんばかり。

事実、「歴史的に先住だけど圧倒的に少数」な民族の解放を大義名分に周辺国に攻め込むパターンは、ソ連~ロシアの常習癖です。


透けて見える「突然の日本語化」推進の真意


よーするに、従来のロシア側の「千島列島史観」を懇切丁寧に発信するサイトだった
もともと北海道・千島・南部サハリンはアイヌ民族の土地。それが根幹の帰属先。

日本人は北海道以北を代々に渡り侵略し続け、アイヌを奴隷化し、その土地を違法に領土編入して現在に至る。

アイヌに"平和的にロシア市民権を与え"南下してきたロシアの前に野蛮に立ちふさがったのが、あなたたち。固有の領土とか たわ言をホザく以前に根本の過ちを認めなさい。


加速する、と約束したのに"何を旧弊な帰属認識に固執して"グズグズしてる!
プーチンさんは領土交渉の中で明確に、日本政府がまず四島を「ロシア領であると認める」ことこそが、最終合意への踏み絵であると位置づけてます。

安倍さんがそれを「踏まずして(交渉が)進められる」とでも思ってるなら、致命的に重篤な誤りです。

プーチンさんは2013年に「加速させましょう」と聞いて、安倍さんが従来からネックになってきた「四島の帰属に関する歴史見解」を今度こそ撤回する気だろうと理解したからです。


結局、日本人旅行客の"正規"北方領土ツアーは2019年10月に(ようやく)試行実施…と大きく出遅れることに
その代わり、あらたにロシア政府が同国極東2地方1州の観光エリアへの「渡航条件付き電子ビザ認可」を発布。

これを受け、特に「ウラジオストク往復ツアー」が(北方領土観光より)先に急速普及することとなりました。
 
千島の観光開発に足踏みしてては時間が惜しい。

だったらロシア領として(日本人からも)文句の出ないウラジオ観光からでも、とっとと稼がせてもらうよ、というロシア側のイラだちの表れであり「間接的な督促」なのかもしれません。


ウラジオストク自由港からの入国における電子ビザ取得↓
> https://electronic-visa.kdmid.ru/index_jp.html
【滞在可能地域:沿海地方または、ハバロフスク地方、サハリン  
出入国及び滞在は同じ地点でなくてはなりません。(直航便での入出国の必要があります)】



北方領土日本人観光ツアー客 国後島から択捉島
2019年10月30~31日に国後島、11月1~2日に択捉島を観光した。この回は試行事業だった前回(同10月11~13日に国後島、14~15日に択捉島)に次ぐ「初本番の」観光ツアーだった。


そんな幻のサイト《クリリスキー》 "お宝"画像集


上で観た「試行観光ツアー」の面々も、以下に掲げるような「届け出認可の要る自然保護区」内にまで立ち入れたワケではありません。(南クリル以外の本土の)ロシア人らが本サイトを通して観賞できる雄大な光景は、日本人が許されている範囲の比ではありません。

彼らが対日封鎖した"保護区"の中では「もっと信じられない光景」が日々、繰り広げられているのです…!
 
たぶん、島に暮らすロシア住民にとっても日本人に「一番、見せたくない真実」とは、こうした(政治的に何の脚色も演出も介さない)素晴らしくも崇高な、大自然のパノラマなんじゃないでしょうか。


島々に抱かれた「奇観」アルバム
超絶ミラクルな光景をトクと!ご覧あれ。


ほぼ、火星。
まだしも空が青いから、国後島と言われれば「そうなのかも」信じられる。

にしてもスゴい。ただスゴい。映画『テラフォーマーズ』は何も遥々アイスランドにまで出向かんでも、こんな近くでフツーに撮れたのにな。


カニかま状態の岩場(1)
ここも異星感、出てます。


カニかま状態の岩場(2)
近くに寄ると、こんな感じ。


カニかま状態の岩場(3)
うーん、絵になる。


カニかまと焼豚の岸辺
SFちっくですねえ♪


火の山より、出づるせせらぎ
手塚治虫の冒険漫画から出てきそう。


島々に抱かれた「奇観」アルバム


翼ひろげ舞い降りる、巨大なハト?
神々しいです(溜め息)


島々に抱かれた「奇観」アルバム


景勝地「ソコボイの滝」


シャッターチャンスが止まらない


色丹のストーンサークル
旧日本軍の何か?でしょうか。


島々に抱かれた「奇観」アルバム


島々に抱かれた「奇観」アルバム


神が大地を引っ掻いた?
この、白い"傷跡"みたいなモノは何?


逆に大地から、撮ってた山を望む
うーん。

白く見えたのは「灰」でしょうか?


島々に抱かれた「奇観」アルバム
どうやら、地熱地帯のようです。

大草原の真ん中に、ぽっかりと白亜の「地獄谷」とは驚異な。