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脱帽!? インド/ニューデリー市民の「洗濯機の使いかた」が、節水根性ハンパなかった

水不足が深刻なニューデリーでも、裕福な中流家庭では「洗濯機」を買う世帯が増え始めました。そもそも水が豊富に使えないのに、(洗濯機の)使い道なんて^^;あるのでしょうか??


はじめに(序説)


日本の感覚からしたら「エブリデイ、断水」── 給水車に頼り続けるデリーの市民生活
デリーだけに限らずインド北西部一帯の水事情は、「雨量のワリに人が増えすぎ、井戸水は ほぼ枯渇」。しかも、水道は河の延長で「タダで使えて当然」!?という長年の国民意識から、(相当の料金も徴収できず)運営に足る財源も見込めない……絶望的な三重苦に陥っています。


ところがインドの経済成長を受け、そんなデリーですら(金持ちが住むニューデリー地区などで)洗濯機を購入する人がいる
出典 まとめ主自身による文章


いったい全体、どんな使いかたをする??というのでしょう。
 
ニューデリーに暮らす(デリー市民のなかでは比較的 裕福な)中流家庭の女性が投降したYouTube動画をもとに、その手順を図面に書きだしてみました。


洗濯機の使いかた 〔ニューデリー編〕


インドの洗濯機は基本、「二槽式」
昭和人なら ご記憶でしょう。洗濯槽と脱水槽、ふたつの投入口を持つ「半自動」洗濯機です。
 
一槽式やドラム式などの(先進国でポピュラーな)全自動タイプは、水がふんだんに使えないため実質利用できません。
 
 
余談ながら、実は日本でも まだ売れ続けています。
> https://ecoeco-taizen.com/utility-costs/water-bill/8411.html


洗濯槽に水を注入します


「最少水量」で止め、粉せっけんを投入します


洗濯槽を回し、洗剤をよく溶かします
(※二槽式の場合、洗濯槽のフタはずっと開けっ放しです)


泡立ったら、衣料(5~6着分)を投入します
洗濯槽は回しっ放しです。


そのまま15分(!?)、洗濯槽を回します
明らかに(水量に対し)衣料が多めなので、槽内の壁面に「バッシャバシャ、叩きつけながら洗ってる感じ」。

それを15分も放っとく^^;というのですから、やわな衣類は傷んでしまいそうw インド女性の洗濯感覚は なかなかに豪快^^;です。

今も河岸で(衣料を叩きつけて)洗濯してる主婦が多い、インドならではの遺伝子でしょうね。


洗濯槽を止めたら、衣料を脱水槽に移します
1着ずつ引き揚げ、洗濯槽の水が減らないよう気をつけます。


脱水槽に水を注入、移した衣料を1着ずつ(手揉みで)すすぎます
水がもったいないので、とにかく手早く、次々に。


脱水槽を回します
すすぎ汚れを振り切ります。


7~8を繰り返します
2度すすぎ脱水。これで1回分の洗濯が終了です。


洗濯槽の「汚れた洗剤水」にそのまま、次の衣料を投入します
1回で排水しないのがニューデリー流です。

何度も使えば水が節約できるので、なるべく洗濯はまとめて3回分、4回分と^^;続けて洗います。


5~10を繰り返します
洗濯槽の水がどんなに真っ黒に濁っても、衣服自体は「すすげばキレイ」と信じてるのがインド人です。


(3~4回分の)洗濯が全部終わったら、はじめて洗濯槽の水を抜きます


軽く水をかけ、洗濯槽内の汚れを拭き取ります
これで洗濯は おしまい。


★★★ 以上、図解した手順の「ネタ元」動画が↓↓こちらです♪ ★★★



半自動洗濯機の使いかた 〔ニューデリー編〕

 
 
↓以下、このようなインドの水事情を探ってみました。


背景1: インドの水危機


3枚の統計マップが物語る、「インド水危機」の深刻さ。
 
仕事がある場所には水がない。水がある場所には仕事がない…!!!


(1)水ストレスMAP
デリーを中心に赤色の地域が、本来必要な水の「8割以上が!?」手に入らない、渇きに飢える地域です。
 
必要量の4割以上が得られぬ渇水地帯に、全インド国民の実に!! 54%が暮らしている……というショッキングな現状が。


(2)降雨量MAP
デリーなど西北部を中心に薄い水色の一帯が、年間雨量に恵まれない地域です。


(3)地下水の枯渇度MAP
デリーを中心にオレンジ色の一帯が、(伝統的な取水源であった)井戸水の枯れている地域です。


背景2: インドの「洗濯機」


インドの洗濯機は「半自動」、日本の(全自動)洗濯機より全高が低い
高さは腰骨の下、10㎝くらい(→ 低さの理由は次ページに詳説)です。
 
これまで投入口がひとつの「1槽式」タイプが多く売られていましたが、こちらのは日本の全自動タイプと違い、洗濯槽しかない洗濯機です。


二槽式こそが、「リッチの証し」♪
インドで普及し始めた脱水槽付き洗濯機の例。



ちなみに、ブランド名が「SANSUI」とありますが、これは(かつて日本に在った)オーディオメーカーサンスイの商標を買った中国企業のもの。
 
それでもインドの店頭では「日本製」という口コミで堂々と^^;売られています。


【ところ変われば??】インドで売られる洗濯機は、どれも「白と茶色」のツートン色
すっかり、この配色で定着してる!といっても過言ではありません。


インド人にとって「清浄な?水色」とは、日本で言う「茶色」に相当か
(画像は、デリーの"世界一きたない"水道水と市販ウォーターを比べて見せる少年)
 
日本のキッチン&トイレタリー用品は、白色や水色が多い。だからインド人にとっても、洗濯機は白(=無色透明)か、水色(=日本で言う茶色)という理屈になるようです。


茶色、弁柄色と言えば、法衣の染色にも多い。アレも"清浄"の象徴?なのか
思えば、アジア各地で おなじみの法衣色である黄色やオレンジ色も、すべて「濁った水」の色系だと言えなくもありませんね。

まあ、そもそも「黄土色や茶色をキレイ」と無意識に想えなかったら、濁った水など(インドの下層庶民のように)ゴクゴクとは飲めないでしょうしw


インドの洗濯機は全高が低い…それはインドに限らず(洗濯機が登場した頃の)日本でも そうだった
(すすぎ/脱水機能のない)一槽式しか無かった当時、洗濯機は今より低かったのです。

やがて脱水機の付いた二槽式が登場しても、主流モデルの全高は腰下10㎝くらい(のまま)でした。


なぜなら、「洗濯物を手で すすがなくちゃイケない」から
腰骨の10㎝下というのは、言い換えると「流し台の高さ」── 。
 
水道の蛇口が そのへん(の位置)にあれば、立って洗い物がしやすいのですね。
 
手すすぎ作業のためには、洗濯機の背は高くできない宿命なのでした。


時代とともに変わった洗濯機のイメージ
かつての日本も、今の中国やインドも、この流れを追いかけています。


その他 (関連リンク)


世界最悪の汚染度、インドの水道事情 | 全世界水道なう


こんな近況記事も: それでも4億人の飲み水に? 聖なるガンジス川で進む、驚くべき水質汚染
(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース


節水できて壊れにくい!?二槽式洗濯機が未だに売れ続けている理由はコレだ!
出典 https://ecoeco-taizen.com
https://ecoeco-taizen.com/utility-costs/water-bill/8411.html



こっちも「二槽式」洗濯術? 〔フィリピン編〕
逆に多雨に恵まれ、水道代は日本の数分の1(だけど 電気代は日本の数倍も!?かかる)というフィリピンでは、洗濯機なんて贅沢。庶民は ふんだんな水を武器に、ご覧のような「フィリピン流 二槽式」で人力の洗濯に勤しんでいます。