す⊃ぽんはむの”元”NAVERまとめ

大部分は まだテキストのみ。順次、画像を復元します。

なんとチリでは、あの『第18共徳丸』より遙かに巨大な"津波座礁"船を、また海に戻してた!?

わたしたちは、イザ自分の身の周りに大事が起きると、そのあとは起きたコトに用心深くなったり注意して見聞きするようになります。しかし、自分たちが災いを受ける前にも、世界のどこかでは同じような災禍、それを乗り越える叡智が試されていたハズなのです。今回は、広い世界の「そんな、灯台もと暗し」な話題に迫ります。


まずは、オドロき映像↓をご覧あれ。 これが「巨船救出大作戦」の全容だ!


ナンで、膨大な費用をかけてまでして、その姿のまま海へ?
実はこの船、まったく新品。どころか・・・・まだ建造中のハイテク「軍艦」!?だったのですっ。



津波で陸上に座礁の巨船を、また海に戻す!? (2010-11年/チリ)
「補助足」を継ぎ足し、両サイドから自走運搬トレーラーで「ジャッキUP」。岸壁まで運び、接岸した昇降機能付きの浮き床に載せ替える……いやあ、スケールのデカぃ話ですねえ。

あろうことか、被災したのは「進水式」挙行当日の朝だった!?のだそうで、これが1年越しの「やり直し進水式」になりました。人類の造船史上、もっともカネのかかった進水式になった?かもしれませんね。




(背景と解説)


2011年3月11日の東北大震災を遡ること1年、2010年2月27日の現地時間早朝、チリ中部沿岸地域一帯はM8.8の大地震(と続く津波)に遭い、壊滅的な被害を受けた。



震源が沿岸部だったため、現地の津波は観測された最大波高で2.6m※(東日本大震災は10m以上)。このため津波による犠牲者は500人程度にとどまりはするが、震災全体の被害者数(=800人超)の大半を占めた。

Wiki日本版には産経新聞報を出典に一部「30mを越えていた」との記述がみられるが、波高ではなく「最大遡上高」との混同と思われる。


今回の「主役」: “ホーン岬”号
船名=Cabo de Hornos
全長:74.1m(71.3m)
全幅:15.6m
総トン数:3,068t
載貨重量トン: 1,245t
定員:68名(乗員43名、科学者25名)


Cabo de Hornos
ノルウェーの専門家に設計を委託した、チリ海軍所有の最新鋭「海洋水産調査船」。

海洋権益立国の威信をかけた最新テクノロジーを満載──漁業資源調査(引き網調査漁)、音響探査事業、海底マッピング作業などマルチな科学調査能力を持つ。


2009年から建造に入り翌10年2月、進水式の当日早朝、まさかの津波襲来
震源地に近い入り江の造船所で建造中だったため、未完成の船体を為すすべもなく「持ち去られ」てしまった。


のちに完成して2013年4月、配備。
新鋭調査船として、バリバリに活躍中!です。




CABO DE HORNOS - 船舶データ
出典:marinetraffic.com


参考 (一方、日本の場合)


東日本大震災座礁した『共徳丸』は、紆余曲折の末に「現場解体」された・・・
被災地で「解体か永久展示か」で熱い物議を醸した第18共徳丸は、全長60メートル。
 
「大型」巻き網漁船と言っても、そこはあくまで網囲い能力(=機動力)を優先させたスリムな船。排水量は330トンにすぎない(『Cabo de Hornos』の10分の1あまり)。

当然、総建造費の差はさらに大きいハズで、仮に船底にダメージが無く「海に戻す」プランを立てたとしても費用対効果で「お話にならない」と却下されたであろう。