す⊃ぽんはむの”元”NAVERまとめ

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いろいろ不評な^^;洋画の邦題、きょうびの海外でも輸入映画の訳題は「醜い」?か調べてみた

珍題名、迷題名で国内配給やDVD化されるたび、洋画ファンのヒンシュクを浴びる「邦題」の数々。英語を使わない他国でも状況は(今でも)同じなのでしょうか? あえて「日本未公開」作品を例にとり、別題がどうなったのか追跡してみました。


洋画の邦題に、あなたは賛成? 反対?



洋画鑑賞を趣味とする人が、必ずと言っていいほど言及する話題が……「この邦題、いったいナニ考えて付けてんの。原作の雰囲気が台無し」とか、「マコトしやかな邦題のカッコ良さに、まんまとダマされたよ」…等々の苦情。
 
たしかに書籍や映像作品のタイトルは、ストレートに観衆の興味に訴える原題であるか?はワカらない。 かと言って、配給担当が身勝手な主観で「内容から逸脱したり、ニュアンスをネジ曲げる日本語タイトル」を振ってよいのか。

みなさん、考えたコトはないだろうか。

こーゆう「ナンちゃって系の」タイトルが業界にまかり通ってるの、って。日本だけ? 今現在の海外の実情はどうなんだろう?? ・・・・と。



 
 
※【↓補註】 この「まとめ」を初登録した時点で公開予定のなかったタイトル。 現在は(最後尾に付記した通り)本公開が控えている。


ひとつの「日本未公開※洋画」を例に、海外の現状を調べてみた


それも、どうせなら「まだ日本語タイトルが振られていない《日本未公開》作品」で、オリジナルの英語タイトルだと(作品の)中身がワカりにくい作品。 白羽の矢を立てた1本は…昨秋の話題作で、英語圏を中心に好評を博した、以下の↓イギリス映画──。


『About Time』 (2013年イギリス)
ラブロマンス|コメディ|SciFiファンタジー
 
リチャード・カーティス/脚本監督
・ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス/主演


<あらすじ>
イングランドの片田舎で育ったティムは21歳になったとき、父親から「先天的に、時間を戻る能力がある」と知らされる。以来、「過去にのみ何度でも戻れる」という特殊な力を活かし、恋人を見つけ一緒に暮らそうと、機会あるごとに「やり直し」を繰り返す。
いつしか彼は、ただ「やり直す」のではなく「やり直さずに」済ますには、どう生きたらよいのかを真剣に求めはじめるのだった。


「about time」本来の意味(ニュアンス)
単純な意味合いは、

 about time = (もう~しても)良いころ 

英語話者が「何らかの行動を起こすべきタイミングが、自分の前を過ぎつつある」と感じているときに発する言葉である。

「その時間帯」の渦中にいるときに、決断を踏まえて「(It's) About time.」と自分に言うときは、「そろそろ~しなきゃ」「今こそ、その時期だ」「やるなら今でしょ」といった意味合いに。

「その時間帯」が終わるギリギリに、不快な表情で他人に「(It's) About time!?」と吐き捨てるときは、「何してる、遅いだろが(この機を逃す気かよ)」といった不平の表明にも転じる。


さあ、それが海外だと「こんな訳されかた」を してた!


その具体例を順に、「仮に日本語だったとしたら」というイメージ画像^^;とともに並べてみた。


アバウトタイム: まったく訳さず、そのまんま輸入
韓国
 
韓国でもヘンなタイトルのときはヘンなものを掲げるが、今回は「うまい訳語が見当たらない」と諦めた?のだろうか。

単に「어바웃 타임(アバウトタイム)」と、読み音をハングルに置き換えただけの公開となった。

韓国の場合、厳密には「アバウ・タイム」。

単語に着目して「発音されない語尾のt」も文字化する日本人と、「発音こそが文字」でtを文字化しない韓国人との違いが、こんな実例からも理解できる。


今こそ そのとき: 自国語で「直訳」しただけ
フィンランド
フランス
クロアチア など

やはり生真面目に「直訳」に徹していた国は多い。
 
そりゃそうだ…と納得するコトしきり。


時をくぐって: 一番「無難な線の」意訳
カナダ(フランス語版)

フランス語圏なら「みなフランスと一緒」だったのかと言うと、そんなワケでもないようである。 
 
ほぼこれに近い訳題を宛がった国として、他には…
 
ポルトガル/時をとどめて
スロベニア/時を越えて などがある。


時の問うもの: 内容を良く消化した上での「正攻法な」意訳
イタリア
ブラジル
スペイン語諸国(アルゼンチン、チリ、スペイン、メキシコ、ペルーなど)

時の問うもの(あるいは、時「が」問うもの)……

採用された国数で言うと、この題名が圧倒的に多い。「時間とは、人間にとって何なのであろうか?」という意味合いの題名。

この映画の《主題》は、主人公が「時間を戻れぬゆえに『今』は、かくも貴重で、かけがえのない輝きを持つのだ」という真理に、いかにして気づかされてゆくか? である。
 
意訳として、これ以上「ど真ん中の」訳し方はあるまい。


それこそ、時の問うもの: ナンと「意外なアノ国」でも、ラテン諸国と似た訳題が…!?
ドイツ

時間には厳格なイメージのあるドイツ人も、「時の問うモノ」という言葉を持ち出していた。 彼らにとっては「時間の本懐」と言った、哲学的な重みがしっくりくる?のかもしれない。


愛する時間: 3番目に採用例が多かった意訳
グルジア
ポーランド
セルビア

それぞれ別の言語国だが、結果的には同じ、この訳を宛がっていた。 こうなると「時間を戻る」ニュアンスは残らないが、作品の伝えたいエッセンスを考えたとき、この取捨選別も間違っているとは言えない。


そのときそのとき: 少し遠めの意訳にはなるが、趣がある
ハンガリー

「そのときどきで、随時」といった意味合いのハンガリー語が宛てられてる。実際に原語の発音も「イドゥル・イドゥラ」とリフレインする。

意図して、繰り返す音感を選んだのだと思われる。
 
悪い趣味ではない。 なかなかにイケてる^^。


結論は「さほどハズレず、忠実に訳す傾向」。 ただし例外もw


ちょっと、恐れていた「事実」が明らかになった。

やはり、世界一般には(昔はともかくも今は)、そんなフシダラで滅茶苦茶な自国語タイトルを付けたりしていなかった!

あんなにも恥ずかしい迷訳&珍訳を、いまだに創作しまくって得意になってる日本の輸入興行者たちは真摯に反省してほしい。 作品に尾ひれや誤解を塗してはイケない。 うぬぼれるな!!

と、声を大にして叫びたいモノの・・・・実は、こんな国ニッポン。 実は他にも「困った同類」たちがいることも確認された^^;

たとえば・・・・この、親日で群を抜く国民性の↓トルコだっ!!!


もう一度お願い: 思わず吹いた、まさに「超訳」の典型
トルコ(トルコ語版)
 


いやぁ^^; 思わず「そこかよ!?」的なww

けっして、日本だけじゃなかった。 こーゆうの、アジア圏全般に共通なのかァ!?(苦笑)

たしかに気持ちはワカらんでもないが、ヘンな方向へ遊びすぎ。ナンか、単に「時間を戻るスゴ技」だけを描いた、すっげー「薄っぺらい」ラブコメに思える・・・・。
 
つか、日本のどこかのライターが、この語尾に「!?」付けてマジ採用しそうでコワいwww


日本公開時に、訳されがちな「邦題」を予想すると?


残念ながら日本でも、「珍訳で」紹介される可能性の方が高いか?
日本(あくまで予想のひとつ)

どーせ、こんな「安直でフィーリング優先な」タイトルでも付けられちまいそうな予感がw

別に『やり直せるなら』でも、映画の前半とはシンクロしてる。そこまでなら、これでも良かろう。

しかし…!

「やり直せないこと」の価値を学び直す…という最終的な映画のテーマとは、全然ズレてることが一番の問題だ。

最近の《ゼロ・グラビティ》という邦題と同じ。

テーマが「ふだん気づかないグラビティの有難さ」にある作品に「無重力、すげー、こえー」じゃ無い^^;だろが。 アホな邦題は要らないっ!!!


さて、実際についた邦題は? (やはり...?)


ジャジャ~ンっ!!! ── 結局は(韓国と同じく)、「訳さない」!でした
やはりねえ^^。どうアガいても、「そのまんま」よりマシな輸入法は無い・・・との判断に落ち着きましたか。
 
ただ、企画側の「苦労」のホドが偲ばれる点も、二つほど。

(1)制作国バージョンとは、字体を代えた。→「アバウト・タイム」7文字とも共通の、エレガントなフォントに変更されています。

(2)かなり「意訳」気味の翻訳タイトルを副題にもってきた。
→「愛おしい時間について」としてあります。ここでの「About」は「もう、そろそろ」と言う意味が正しいのですが、あえて日本人のアタマに入りやすい「~について」という表現で作品のニュアンスを伝えようとしています。


【参考】 各国で使われた原語は、こちら。


主な公開済み国の 題名一覧リスト