す⊃ぽんはむの”元”NAVERまとめ

大部分は まだテキストのみ。順次、画像を復元します。

あとは《ミストラル》待ち? ウラジオストクで調整中の新造揚陸艇《イワン・カルツォフ》。

強襲揚陸作戦発動における、主力戦車の〝かっ飛び〟輸送艇として誕生した、ロシアの《プロジェクト21820:「ジュゴン」級》。配備(もしくは配備前の調整)段階にある5隻のうち、1隻はウラジオストクにて正式配備待ちの調整中。その名称が《イワン・カルツォフ》!です。さて、その中身は?


イントロダクション


フランス政府、対ロ制裁でロシア向けミストラル級強襲揚陸艦の引き渡しに暗雲・引渡し困難となれば10億ユーロの損害


一番艦となる「Vladivostok」は既に完成
艦名《ウラジオストク》・・・・そうです、もうこの新造艦の配備先は太平洋艦隊、と確定済みなのです。


〔参考〕 ミストラル艦内後尾部
車両格納デッキから揚陸艇の待つウェルデッキに降りるスロープは、ほとんど街中の「立体駐車場」感覚。


で、その《ウラジオストク》に搭載されるコトが確実視されている最新揚陸艇が、ここに掲載の《イワン・カルツォフ》です。


【ご注意】 ここから以下に続く13枚の写真は、時系列が「下から上」に並べてあります。上の掲載画像ほど最近に近く、下が(まだ造船所建屋内で)建造中の模様です。


ウラジオストクで運用調整中の《イワン・カルツォフ》


ウラジオストクで運用調整に入る《イワン・カルツォフ》
ひとまず完成…
2013-12-05撮影(下の写真に続く)
「東方造船所」


ウラジオストクで運用調整に入った《イワン・カルツォフ》
まずは「積み荷を積んでみる」コトから、ですね。
2013-12-09撮影(下の写真に続く)
「東方造船所」


ウラジオストクで運用調整に入った《イワン・カルツォフ》
初積み試験は「全然、楽勝じゃん」とでも話してるワケ…ないですね^^;
 
写真の後方には、わららが日本の技術協力の象徴であり、ウラジオストクの新ランドマークとなった《ルースキー島連絡橋》が誇らしげにそびえます。

2013-12-09撮影
「東方造船所」


進水した揚陸艇《イワン・カルツォフ》
2013-10-01(進水式の翌日)撮影

「東方造船所」では、進水式=完成式であったようです。


電子武装で省力化を究めた操舵室
乗員は6名。


電子武装で省力化を究めた操舵室
乗員は6名


進水式を待つばかりの《イワン・カルツォフ》
2013-09-28撮影 同9月30日に進水(完成)式でした。
「東方造船所」


進水式を待つばかりの《イワン・カルツォフ》
2013-09-28撮影
「東方造船所」


進水式を待つばかりの《イワン・カルツォフ》
2013-09-28撮影
「東方造船所」


進水式を待つばかりの《イワン・カルツォフ》
2013-09-28撮影
「東方造船所」


建造中の揚陸艇《イワン・カルツォフ》
2013年 撮影
「東方造船所」


建造中の揚陸艇《イワン・カルツォフ》
2013-05-31撮影
「東方造船所」


プロジェクト21820 《ジュゴン》級 揚陸艇とは?


揚陸艇《プロジェクト21820:「ジュゴン」》は、全露で5台(2014年現在、一部は未完成 ※1)が建造された最新・最大・最速の※2 揚陸艇シリーズ。

 ※1 サイトhttp://russian-ships.info/に拠れば、さらに6隻を建造予定。
 ※2 輸送艦ドック内に収容できる仕様の艦艇を(揚陸艦とは)分けて「揚陸艇」とした場合

先行して建造配備された中型の揚陸艇《プロジェクト11770:「セルナ」》とともに、新造艦「ミストラル」への搭載も
見込まれている「戦車も積める〝かっ飛び〟揚陸艇」です。




その性格は?
左の「ざっくりとした」比較で示す通り、揚陸艇に求めらえる①輸送能力と②揚陸活動における機動力のバランスを大きく後者寄りに振りながらも、従来のエアクッション型揚陸艇(LCAC)よりも積載重量や後続距離を倍増させた(特に、戦闘車両の積載可能台数を大幅に増やした)新カテゴリーに属する揚陸支援艇、と言えます。

同時に、大型の揚陸艦格納ドックであれば、LCACより多くの隻数を積載ならびに出入りさせることができ、揚陸兵站活動全体の消化効率の向上も期待できます。


【ラインナップ】

1番艇(№811) アタマン・プラトフ  →カスピ小艦隊
 Атаман Платов
2番艇(№4001)イワン・カルツォフ  →太平洋艦隊:予定
 Иван Карцов
3番艇(№701)デニス・ダヴィドフ  →バルト艦隊:予定
 Денис Давыдов
4番艇(№702)リムスキー・コルサコフ中尉 →未定
 Лейтенант Римский-Корсаков
5番艇(№703)レールモントフ少尉     →未定
 Мичман Лермонтов


同型艇(ジュゴン級)の揚陸演習風景


配備/配備準備状況MAP
ウラジオストクにはセルナ級1隻、ジュゴン級1隻が配備 ──。

まさにこの2隻の新型艇がミストラル1番艦こと《ウラジオストク》配備と「セットで」考えられ、そのために建造・配備を進めてきた?ように感じざるを得ません。


《プロジェクト11770:「セルナ」》
ジュゴン」級よりひと回り半コンパクトな軽〝かっ飛び〟揚陸艇が「セルナ」級。建造・配備も「ジュゴン」に先行し、展開されている。
 
 
 
 
 
【画像:両プロジェクト艇の大きさ比較(模型)】



【露海軍】 最新揚陸艇(コード名「ジュゴン」3番艇)の進水式
吃水下の塗装カラーが赤いのが、「ヤロスラヴリ造船工場」製。これはバルト艦隊で最終運用調整に入った≪デニス・ダヴィドフ≫の進水式典。


主力戦車は2台積み? 3台もイケる?
前述の機能比較で補足したように、アメリカより軽めのロシアの主力戦車(の総重量)換算なら、ギリギリ3台もイケる積載スペック。
 
したがって資料により搭載可能な戦闘車両は「2台のMBTまたは4台のAPC(アメリカ換算)」と書かれたり「3台のMBTまたは5台のAPC(ロシア換算)」と書かれたりしています。
 
 
【ちなみに?】
これに対し、外寸がジュゴン級に近いアメリカの前世代の揚陸艇(LCU-16xx級)だと、積載デッキの形状もあってMBT(主力戦車)は、1台陸に揚げるのが精一杯でした。


前方はフツーの舟形なるも、後方は扁平かつ、中央に広く溝が穿ってある設計。
1万8千馬力で〝かっ飛び〟高速航行時、ここに水流を「通し」後端の隔壁に当てて船尾トリムの解消を狙った…と思われます。

本気を出せば、積んだ戦車は洋上を跳ね翔ぶ!?のですw



参考までに、同型船の命名式のスナップ。
 
後方部分=機関室が完成したとき、その前面の壁に銘板を設置する式典ですが、船底の断面が凹型にへコませてある様子が確認できます。


9,000馬力を叩き出すM507Aディーゼル・エンジン


メーカーでチューニング中の同エンジン
開発メーカーは、こちら。
  > http://spbdiesel.ru/en/

まあ、言っても基本的にロシアですから、西側基準に比べ多少燃費悪かろーが黒煙吹きまくろーが、化石燃料はあるだけ浪費して構わない、という研究開発ポリシーかと。たぶん。


(参考) 民需転用例
別の造船所でソチ五輪に間に合わせて就航させた、観光用の高速艇。

積んでいるエンジン2基のメーカーこそ異なりますが、同じ航行方式で設計され≪ジュゴン≫同様、6名の乗員で操船。40ノットでかっ飛ばします。


関連リンク


揚陸艇 проекта(プロジェクト) 21820 — ロシア語版ウィキペディア


揚陸支援能力のテストを伝える国営通信社の記事 | РИА Новости
出典(リンク先):ノーボスチ通信